Aセクシャル当事者にぶっつけで色々聞いてみた!〜後編〜

こんにちは!Bifree編集部です。今回も前回に引き続き、アセクシャル・アロマンティック当事者であるれいすいきさんのインタビュー記事となっております!前回同様、いやそれ以上に読み応えのあるインタビュー記事となっておりますので、ぜひ読み進めてみてくださいね♪また、れいすいきさんには今回のインタビューへのご協力、誠に感謝しています!では行ってみましょ〜〜!!最初はセンシティブなあの話題からスタート…!

アセクシャル(無性愛)とは

無性愛とは、他者に対し性的に惹かれない、すなわち性的な行為への関心や欲求が少ないか、あるいは存在しないことである。無性愛の性質を持っている人のことをアセクシュアル、Aセクシュアル、無性愛者という。

生理現象にはどう対処しているのか?

不躾な質問で恐縮なんですが、気になる方もいらっしゃるんじゃないかと思いまして…。

個人的には性的なものがそこまで得意でなく、話せることがあまりない、率直に言ってあまり話したくないテーマでもあります。ただ、当然アセクシャルを初めて知る人などは関心を持つテーマだと思うので、なんとかその疑問に答えられたらと思います。

ただ、これからの答えは、勘違いや不勉強な部分もあるかもしれません。その前提でお聞き頂けたらと思います。

どう対処しているかで言うと、夢精、もしくは自慰行為ということになるかと思います。つまり他者がいない形で処理しています。

みなさんの学生時代にも保健体育の授業で、確か男性と女性の成長を扱うところとかがあったと思います。ただ、自分はあれがなんとなく苦手であまり聞いてませんでした。そのため、生理現象に対し理解がなく、自分で何かするということをしていませんでした。
社会人になってから、自慰行為と夢精の存在を知りました。そう考えるとこれまで自分の下着が汚くなっていることがあるなと思い出しました。今は下着が汚くなり、中途半端な時間に目が覚めるのが嫌なので、夢精とならない程度に自慰行為をしています。

メディア・教育に関して思うこと

メディアや教育に対して、「こういう取り組みは続けてほしい」もしくは「こういうことは変えて貰いたい」と願うことはありますか?

メディアに対して続けてほしいことはいろんな価値観やセクシャリティがあることを伝えることでしょうか。バズるからなのか、最近よくニュースになっているのを見ます。変えてほしいことは、結婚=幸せ、離婚=残念という方向性付けでしょうか。これはメディアに限りませんが。

教育に対して続けてほしいことはありません。否定とかではなく、特に続けてほしいと思いつくことがありません。

この前、小学校の先生と話す機会があり、LGBTQについて小学校でも教えることがあると聞きました。よく多様性を認めようと言われますが、その多様性も、それぞれの種類、タイプの名前を知らないと「認める」こともできないと思います。

名前で定義ができないだけで、「なんか変なヤツ」とされてしまう。

名前が定義されただけで解決するとも思っていません。ただ、その言葉を知って救われた自分もいます。その言葉を知ることが第一歩となり、相互理解に繋がるのではないかという淡い期待を抱いています。
今既に起きている変化でもあると思うのですが、こういった「いろんな人がいる」ということを伝える教育は続けて欲しいと思っています。

Aセクシュアルで良かったと思うこと

Aセクシャルで良かったと思ったことは、何がありますか?

良くなかったと思うことはいろいろあるんですが(笑)、良かったことですか、難しいですね。うーん…。

いや、ないかなあ(笑)

ないですけど強いて挙げるなら、逆説的かもしれませんが、不倫に寛容なのかなと思ったりします(笑)これはほかのアセクシャルの人に確認した訳ではないのですが、恋愛や結婚をしなきゃいけないと思っていない分、愛の双方向性についてもクールに見ているのかなと。
「相手は私のことを愛すべき」とパートナーに決めつけたりはしないと思うんですよね。なので、芸能人の不倫とかで怒ったり、感情移入したりしません。あまりそこを話題にしようと思ったり、時間を割きません。

これは不倫の例ですが、恋愛や結婚の性愛に関する話もしかり。なので周囲によく「煩悩がなくていいね」「恋愛に頭をもたげなくていいね」とか言われたりします。
その分、「恋愛してないんだから、他のことに集中して何かを成し遂げるんだろ」というプレッシャーを感じるのですが、それはまた別のお話ということで(笑)。

カミングアウトする相手やタイミング

ご自身のセクシャリティをカミングアウトする相手やタイミングはどう考えていますか?

カミングアウトしなきゃダメですかね(笑)?

異性に性的に魅力を感じるヘテロセクシャルの方はわざわざ「俺、性自認は男で実は女に性的に惹かれるんだよ。そして男には惹かれない」と言いますか、言わないですよね。

であれば、別にわざわざ性的指向を伝えなくてもいい、伝えない生き方もあると思うんです。

親がお見合いをめちゃくちゃ勧めてくるとか、パートナーからすごいセックスを求められるとか、アセクシャルだと告白しないと相当生きづらい環境であれば、確かに伝えたほうがいいのかもしれません。モテないやつとか、おかしなやつだと思われるのが嫌だ、ということであればたしかにカミングアウトして誤解を解いた方がいいのかもしれません。

ただ、一方で僕はカミングアウトした後の環境についてさほど期待をしていません。

これはカミングアウトに限らずですが、自分(れいすいき)が絶望を味あわないために他人に対しては期待を抱かず悲観論で接しています。
カミングアウトって、「理解してもらえるかも」と思ってするわけじゃないですか。それで理解してもらえなかったら落ち込んで、下手したら絶望するだけですよね? だったらそんなリスクを無理にとらなくてもいいと思うんです。

ゲゲゲの鬼太郎の鬼太郎役や報道ステーションのナレーションを務めている声優の沢城みゆきさんが昔、ラジオでこう言っていました。

“1回2回やらないって言うとわがままって言われるけど、10年やり続けると「スタイル」になる。”

カミングアウトという伝え方でなく、ずっとやらないこと、もしくは続けることで「そういう人なんだ」と理解してもらう。
10年はものの例えで長く感じますが、付き合いを続けて相手にそれとなく「恋愛、性愛に興味のない人なんだ」と思ってもらい、相手に理解してもらうというやり方もあるんじゃないかと思っています。
そういう「キャラ」を獲得していくことで、アセクシャルとしての生きづらさは取り除けるのではないか。それを僕は自分自身の実生活の場で実践し、実験しています。

インタビューの最後に

言いにくいことまで分かりやすく伝えて下さり、ありがとうございました。最後に、質問外で何か伝えたいこと等がありましたらお願いします。

最近感じているのは、ロールモデル(理想的と思えるお手本)がないという大変さです。

ヘテロセクシャルなら身近で結婚して幸せそうなロールモデルに憧れるということがあるかと思います。人によってはそれが親にあたるのかもしれません。
ゲイ、レズビアンの方にも、身の回りにこんな人みたいになりたいという幸せな日々を送る芸能人やインフルエンサーのLGがいるのかなと思います。

翻ってアセクシャルはどうでしょう。

アセクシャルである人にとっては、なかなかそういったロールモデルがいないのではないでしょうか。アセクシャルでない周りの人も、ロールモデルがないのでアセクシャルの人が「幸せ」と結びつくことなく、不幸せなのではないかと見えてしまうということがあるのかな、と。

アセクシャルの方たちの投稿を見ていると自分自身やその周囲について考えを巡らせ、その考えをすごい深めている方が多い印象があります。
これまで苦労してきた話や恋愛、性愛を当たり前とする世間や社会への怒り。そして被害や悩み、社会への抗議など重たいテーマがその文章から自分の心にずっしりのしかかってきます。これまでそういった文章を読んできて「アセクシャルで良かった」というような前向きと言える内容を受け取ることは稀です。それでもその苦悩に共感があり読まれているのですが、読んでいると他の人もこんなに苦しんでいるのか、とアセクシャルに希望はないのかなと時折感じてしまう時があります。

自分自身も後ろ向きなことを書いてしまったりするんですが、もうちょっと考え過ぎずに前向きでいるアセクシャルであってもいいんじゃないか、そんなアセクシャルでも大丈夫なんですよね、ということを自分自身も信じたくて、そしてそれを伝えたくていくつか投稿をしています。

僕自身がnoteで救われたので、おこがましいですが誰かにとって救いになればと思ってnoteは書いていますし、こんなに何も考えていないんだ、何も考えてなくてもアセクシャルとして生きている人がいるんだ、とtwitterなどでは伝えられたらなとぼんやりと考えています。

これを読んでいるアセクシャルの方の中には、身の回りにアセクシャルのロールモデルと思える方がいないかもしれません。

でも僕(れいすいき)のSNS周辺には普通に暮らしているアセクシャルの人がたくさんいます。その中からいくつかを合わせる形や取捨選択する形で、こんな向き合い方、生き方があるんだと見つけてもらえたら嬉しいなと思います。

さきほど「アセクシャルで良かったことはない」と言いました。

でも、こういった記事や自分の投稿、SNSなどを通して他のアセクシャルの方と出会って、アセクシャルだったから出会えた、だからアセクシャルでよかった、と自分もこれから言えたらいいなあ。

なんて、最後になって、そう思いました(笑)

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