こんにちは!Bifree編集部です。今回はLGBTQを取り扱うこのメディアで初の、インタビュー記事となっております!初回のゲストは、アセクシャル・アロマンティックを自認し、そのセクシャリティやアイデンティティにまつわる日々の思いや考えをTwitterで発信していらっしゃる、れいすいきさんです。とても読み応えのある内容となりましたので、前編・後編と、勿体ぶって配信していこうと考えております!(笑)

アセクシャル(無性愛)とは

無性愛とは、他者に対し性的に惹かれない、すなわち性的な行為への関心や欲求が少ないか、あるいは存在しないことである。無性愛の性質を持っている人のことをアセクシュアル、Aセクシュアル、無性愛者という。

れいすいきさん、どうぞよろしくお願いいたします!

れいすいき(以下、敬称略):この度はこういった機会を頂きありがとうございます。れいすいきと申します。私自身、アセクシャルであると自覚しているのですが、もちろんアセクシャルを代表するような存在などではありません。 「アセクシャル」とひと口に言ってもいろいろな方がいます。20代後半で男性という性自認をしている、そんなひとりのアセクシャルとしてこれからお伝えするのは、アセクシャルの断片、一部であることはご理解ください。

Aセクシャルを自覚した経緯

まずこれはよく訊かれる質問だと思うのですが、アセクシャルを自覚した経緯をお教えください。

れいすいき:社会人になり数年たった時にその存在を知り、自覚しました。
社会人になって知り合った他の会社の知り合いと食事をしていた時に、アセクシャルという存在もあるんだよ、と教えてもらった覚えがあります。
そもそも大学を卒業するまで、「彼女はいる? 恋愛しないの?」と聞かれることもなく、恋愛、結婚や性行為について深く意識することがありませんでした。ちなみに学校はずっと共学でした。

学生時代、彼女がいたこともなければ、欲しいとも思ってきませんでした。

家族以外から恋愛や結婚を仕向けるようなことを言われることはなく、親からの「彼女いないの?」みたいな言葉も「また言ってるよ」くらいにしか捉えていませんでした。会社に入り「彼女はいるのか?」「どんな女性が好きなのか?」と聞かれることが一気に増えました。新しく人と出会い、お酒を酌み交わすことがあれば、二言目にはそんな質問が飛んできて、正直うんざりしていました。いずれも「ない」といえば、

「彼女が欲しくないなんておかしい」
「男が好きってこと?」
「童貞ってことか」
「感情のないロボットなんだね」
「プライドや理想が高いのでは?」
「まずは誰かと付き合う、そしてセックスしてみることだ」

などなどいろいろ言われました。

いろんな人に否定的、屈辱的な言葉を投げかけられて、自分のアイデンティティや性的指向について懐疑的になり、「自分はおかしいのか、恋愛はしなくてはいけないのか、童貞は卒業しなくてはいけないのか」と思うようになっていきました。

なかなか思い詰めてしまう境遇ですね。

れいすいき:そんな時に出会ったのが「アセクシャル」という言葉でした。



呼び名はいろいろありますが、その存在を教えてもらい、noteで夜のそらさんのアセクシャルに関して解説してくれる投稿を見て、自分の中でこれだとしっくりくる思いがありました。

●夜のそらさんのnote(現在は更新停止中)

https://note.com/asexualnight

そこには合わせてアロマンティックと呼ばれる、恋愛的にも他人に惹かれない恋愛指向があることも書かれており、この言葉にも自分自身を重ね合わせていました。
いままで、おかしいと言われてきた自分。その「おかしい」に対し言い返す「言葉」を持てなかった自分。

でもそのnoteで言葉の定義が与えられ、とても救われました。

振り返ると、僕にとって「自覚」は、自分自身に定義を与えられて、前向きになれた瞬間だったと思います。
ここまでこのインタビューを読んだ人には、実は性的虐待をされたのに隠しているのでは?とか、実は女性にすごいトラウマがあるのでは?と思う人もいるかもしれません。ただ、本当にそのような経験はないんです。そのような経験のあるアセクシャルもいるかもしれませんが、そのような経験のない自分のようなアセクシャルもいます。

周りに求める配慮

読者の方にもとても伝わりやすい導入部分となりました、ありがとうございます。何かアセクシャルとして周りに求めることと言いますか…『こうして貰えたらもっと過ごしやすいのに』と感じるものはありますか?

れいすいき:配慮ですか…。正直あまり考えてきませんでした。
「出会う→恋愛→性愛→結婚」というステップを人は必ず歩むはずだ、という”恋愛進化論”的な考えを押し付け、アセクシャルを「未熟」と結論づける「周り」に対して僕は配慮も何も期待していません(笑)ただこの記事を読む人の中には、身の周りにアセクシャルと思われる人がいる、アセクシャルとカミングアウトした友人がいるという方もいるかもしれません。 そういった方々にはなんでも恋愛や性愛に結びつけようとするのだけはやめてください、とは伝えたいですね。

例えば、可愛いと思うタイプとか、好きな芸能人、かっこいいと思う芸能人とかの話になることってあるじゃないですか。 その具体的なタイプとか名前を聞いて「そういう人と付き合いたいんだ」と勝手に理解して欲しくない、ということです。 挙げろと言われたから、挙げているだけで、それをもって「恋愛感情あるじゃん」とか、「やっぱ男/女なんじゃん」みたいな反応をされるのはだましうちというか、違うよねという感覚があります。
造形としてキレイ、スキ。 もしくは性格として共感できる、すごいと思う。 というだけなんです。 そこに恋愛や性愛の感情はないんです。 これは女性が女性アイドルを応援したくなる理由に近いのかなと思っています。

なるほど…とても分かりやすい例えですね。

配慮に話を戻すと、恋愛、性愛的な部分以外は特に配慮が必要ないのでは、と思います。 どうしてもこのインタビューを読むと「違い」ばかり感じる人もいるかもしれません。
ただアセクシャルとアセクシャル以外の人は同じ感覚をたくさん共有していると思っています。 同じ言語を喋る、同じように友達と仲良くなりたい、好きな趣味について語り合いたい、ちょっと愚痴を話したくなる時もある…。 そう考えていくと、そこまで違いはありません。 ただ、交わすやり取りの中で恋愛、性愛的な要素はそこまで必要ないと思っているだけです。 「そこまで」と言ったのは、自分の恋バナは出来ないけど、ドラマや他人の恋バナは好きという人もいるかもしれないな、と思ったからです。

アセクシャルとひと口に言ってもいろんな人がいます。 なので、アセクシャルの方のそれぞれ個々人によって、細かい配慮の仕方は異なるという結論になるのかなと思います。



<後編に続きます>

今回ご協力頂いたれいすいきさんのSNS等

●Twitter @reisuikiken

●Note https://note.com/reisuiki